沖縄 体験ダイビングの必勝法

製造から出荷までの日数を徐々に縮めていった。
九四年には五・八日。
九五年には四・五日。
その後は安定的に四日台を実現している。
二〇〇一年の中元期からは製造後、三日以内で届ける究極の「鮮度ギフト」まで登場した。
顧客の変化の兆しを探るために、社長のYをはじめ幹部は、現場に出ていった。
問屋や小売店に出かけていき、顧客の声を聞き、販売店の声を聞いていった。
遂に九八年には、国内ビール市場でトップシェアを獲得する。
まず、顧客ありきのアサヒビールが売り上げ、シェアとも伸ばしていったのは、こうしたコンシェルジユ的発想が源になっている。
コンペティターよりコンシューマー社員たちは「変化の兆しは現場にあり」とばかりに情報を自分の肌で感じ取ることに専念した。
「クオリティを我々は本物と置き換えて、本物の商品と本物の行動のふたつをきちんとやっていけば、お客様に満足していただける。
お客様にご満足いただければ、当然、売り上げが上がる。
こういう論理の組み立てをしています」と現社長の池田弘一。
こうした発想が受け継がれているところが、アサヒビールの好調要因といえる。
二〇〇一年まで社長を務めた、現会長Fはこんな話をしている。
「デフレといわれていますが、我が国は貯金大国です。
つまり、経済学で教えられたような『モノ余り、カネ足らず』のデフレではなく、カネはあるけれども買いたいものがないということなのです。
商品価値はお客様が決める。
高くても、お客様が認める価値のあるものは売れる時代徹底した「うまさ」と品質追求です。
スーパードライは、業務用、家庭用、ギフト用などあらゆる分野でお客様に支持されています。
ビールの分野では、二位、三位、四位のブランドを足してもスーパードライの数字には及びません。
一位になって、選ばれつづける理由は、価値と価格の関係になるのです」。
顧客は「ああ、うまい」というのど越しと、辛口という何杯飲んでもみいだ飽きない味、鮮度に価値を見出している。
スーパードライが出るまでは、いや、アサヒビールがそうした訴求をするまでは、ビールの選択基準に鮮度という価値はなかった。
「工場製造後、何日で出荷する」。
「全社でフレッシュマネジメント活動に取り組んでいます」と、一貫して鮮度に対する情報をアサヒビー ルが流すことによって、消費者に新しい選択基準が生まれた。
現会長のFはこうつづける。
「よく競合会社とのシェア争いの話になりますが、コンペティター (競争相手) との関係の前に、お客様の評価がどのようになっているかが大事です。
つまり、コンペティターに勝つことが先行してしまったら、お客様のご支持は得られず、経営も成り立たなくなってしまいます。
私は社長時代、コンペティターよりコンシューマー (消費者) を見なさいといっておりました。
お客様にとって、どういう商品、サービスがいちばん良いのかを総合酒類企業として、まず優先させることです。
メーカーはお客様と流通にとって、どういう時期にどういう商品を出すのが望ましいか。
商品コンセプトを含めて考えることが重要であると考えています」。
競合会社がこうしているからうちもする。
競合がこういう商品を出すから、うちはその三目前に出す、という話がある。
ところが、こんな発想はアサヒビールにはない。
社長の池田もこういう。
「スーパードライにはブランドとして、辛口・キレ・鮮度という価値があります。
それがお客様に対する財産ですし、ブランドとして認められるということは、お客様の期待に耐えられた、もしくはそれを上回ることができたということではないでしょうか」徹底した「うまさ」と品質追求さらにこう話している。
「お客様の声を聞きつつスーパードライが誕生したように、常にその基本精神を忘れないようにしなければいけないと考えています。
ブランドを育てるために大切なのはお客様であると考え、スーパードライのお客様が飲みたいと思う理想のビールと比べてどの位置にあるのかを、常にチェックしているのです。
つまり、ブランドを育てるために大切なのは、やはり、お客様ということなのです」。
ウォンツをもとに最高の品質を目指す二〇〇一年に発売した発泡酒アサヒ本生も、発売した二月が三二五万ケース、三月が二八〇万ケースと大ヒットを飛ばした。
発売直後に発泡酒の二割のシェアを獲得してしまったのだ。
「なぜ、こうした商品が生まれたのかとい満を持して発売された発泡酒「アサヒ本生」も大ヒット商品に、お客様の満足度を追求した結果といえるでしょう。
発売当時、発泡酒マーケットは全体で一億二〇〇〇万ケースと、予想以上に大きくなっており、お客様のご要望を無視するわけにはいかなかったのです。
私どもは、六年間にわたって、お客様の望むような発泡酒の研究を重ねてきたのです。
やっと、二〇〇〇年になって、大麦エキス、海洋深層水という酵母が活性化するものを探り出し、お客様の信頼にお応えできる自信を持った品質の達成ができたので、アサヒ本生を発売することになりました」と、I。
この発言は、以下のアサヒビールの経営理念を訪併させる。
「アサヒビールグループは、最高の品質と心のこもった行動を通じて、お客様の満足を追求し、世界の人々への健康で豊かな社会の実現に貢献します」。
これに向けて、多彩な消費者のニーズに迅速かつ的確に対応するため、売り上げデータや市場動向、消費の場での顧客の声を経営資源と考え、情報をシステムに集約して共有。
営業活動に関連した情報や知識、徹底した「うまさ」と品質追求、ノウハウ等もイントラネット上でデータベース化し、営業部門全体で共有している。
営業担当はこのデータベースを活用して販売店や飲食店への提案活動をしており、お客様相談室に寄せられた意見もイントラネット上で同様に扱われている。
これが、新商品開発の一助ともなる。
スーパードライと同様にアサヒ本生もまた、顧客の望むものと作られ、大ヒットしたことがわかる。
ビール業界関係者は、こう語っている。
「キリンビールの淡麗〈生〉発売以降、発泡酒の味のレベルが急激に上がった。
マグナムドライ、冷製辛口と明らかに品質が良くなった。
そこにアサヒビールがさらに高品質の商品を出したので、人気が出たのだと思った」。
これによって、アサヒビールは、ビール・発泡酒の出荷量でもガリバー キリンビールを実に四八年ぶりに追い抜いた。
「アサヒ本生に関しては、最後発の利点がありました。
従来の発泡酒の弱点を品質的にも補うように作りましたし、お客様にもアサヒビールの作る発泡酒への期待感があったと思います」と述べた現社長・I。
この従来の発泡酒の弱点を補う努力に六年の歳月をかけたのだ。
二〇〇二年の国内新車販売ランキングでホンダのフィットが、三三年連続首位を記録していたトヨタのカローラを退けたのも、低燃費、値ごろ感、コンパクトという消費者のウォンツをつかんだからだった。
アサヒ本生もまさにおいしい発泡酒が飲みたいという消費者のウォンツをつかんだことによる成功である。
答えは常に顧害にありアサヒビールは二〇〇一二年一月、三年ぶりにビールの新商品を発売しみのりざんまいた。
年間五〇〇万ケースを目指す「アサヒ穣三昧」である。
これもマイルドなビールが飲みたいという消費者の声を具現化したもので、柔らかな味わいが追求されている。

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